
awsを運用するときには基本的な方針を定めて、エンジニアが同じ考え方で運用に取り組めるようにするのが重要です。また、運用方法についても具体的な考え方を決めておくことでスムーズな運用ができます。
この記事ではawsの運用をする際の方針と方法の考え方を解説するので、今後の運用の仕方を考える際にはぜひ参考にしてください。
awsの運用方針の考え方
awsの運用方針を考えるときには何を重視して運用するかを明確にするのが大切です。awsの運用方針の考え方として主流なのが、awsの課金システムに基づいてコストを抑えるか、快適さを重視して安定運用をするかという二つが挙げられます。
両方の考え方は相容れないものではありませんが、バランスを考えて運用する必要はあります。コストを下げる運用と安定利用するための運用について、それぞれの考え方を詳しく掘り下げておきましょう。
awsのコストを下げる運用
awsは課金システムがやや特殊なので、awsに特化したやり方でコストを下げる運用をする必要があります。エラスティックな仕様になっている部分が多く、そのメリットを生かそうとすると予定外にコストが上がってしまうリスクが発生するのが問題です。
エラスティックなものとして典型的なのがストレージやトラフィックで、少し増えるだけで大幅にコストが上がる場合があります。しかし、完全に固定化してしまうと、例えばストレージ不足になったときに必要なデータのバックアップが失われたり、トラフィックが滞って業務がストップしてしまったりする問題が発生します。
そのため、awsの利用状況を常に監視して、リソースの配分を適切にコントロールすることが重要です。料金が変わらない範囲であれば無理なコントロールをする必要はありません。
課金によって得られている領域は自由に使えるので、無駄を出さないようにするのがコストを下げるときの運用方針です。
予算の上限を定めておくと束縛しすぎることなくawsを利用することができるでしょう。
awsの安定利用をするための運用
awsを安定利用するのを重視して運用する場合にはエラスティックな性質を最大限に生かすのが重要になります。基本的に自動制御でストレージなどを変更するように設定しておけば、課金することにはなったとしてもスペック的に不足することはありません。
トラフィックの混雑によって障害が発生することはあり得ますが、トラブルのリスクが低くて運用が容易になります。ただ、監視による障害発生をすることはやはり必要で、ユーザーによる想定外のアクションによってサーバーが機能を一時的に停止するようなことは起こる可能性があります。
そのため、安定利用をするためにはawsのエラスティックなサービスを最大限に使った上で、監視を重視する運用方針にするのが合理的です。
ただし、awsは使用量が多くなればなるほど天井なしに課金される可能性があります。
予算的に許される範囲内に収めるように運用をすることも必要です。コストを下げるのを重視して運用するときと同様に、予算の上限は定めておくのが無難です。また、目標コストも決めておくようにすると運用の意識改善を図りやすくなります。
awsの運用方法の考え方
awsの運用方法については大まかに分けると外部委託をするか、自社でおこなうかの二つがあります。考え方としては社内負担を減らすために外部に運用代行をしてもらうのが外部委託をする方法で、全て社内で完結させるようにして柔軟に対応できる基盤を作るのが自社運用の方法です。
どちらも一長一短で、一部だけ外部委託して運用を代行してもらう選択肢もあります。それぞれの考え方をもう少し詳しく理解して、運用方法を明確に決められるようになりましょう。
運用代行を利用する方法
awsの運用代行サービスを利用すると、方針に応じて適切な運用をしてもらうことができます。awsの運用の経験があるエンジニアに担当してもらえるので、スムーズに的確な運用をしてもらえるのがメリットです。運用代行サービスを利用するケースとして多いのは社内エンジニアではawsの運用が困難な場合です。
業務量として無理がある場合もありますが、エンジニアのスキルセットから考えてawsの運用には向いていないこともあります。このような際には運用代行にアウトソーシングしてしまうのが効率的です。新しい人材を雇って運用を担当させることも可能ですが、現場に慣れて安定した運用をおこなえるようになるには月日がかかります。
速やかに方針通りの運用を進められるようにするには代行を依頼するのが良い方法です。運用にかかるコストを考えると代行依頼をするのは高くなると考えられがちです。しかし、実際にはエンジニアをアルバイトで雇用するよりも安上がりになる場合がほとんどです。
他の業務も並行させるのであればエンジニアを雇うのも良い方法ですが、専任者を雇用するよりは運用代行を依頼した方がコストパフォーマンスが高くなります。
自社運用をする方法
自社運用をする方法はaws上にある情報を外部漏洩させないためには肝心です。秘密保持契約をしたとしても外部との関わりがあると多かれ少なかれ情報が漏れるリスクが発生します。セキュリティ面を重視して運用していくには自社運用をするのが合理的でしょう。
自社運用では社内の業務状況を加味した運用ができるのもメリットで、どの部署でどんな仕事をいつおこなうかがわかっていればリソースを適切に配分しておくことができます。社内全体でのaws運用に関する理解が進むとコストパフォーマンスが飛躍的に向上する運用方法です。
もともとawsを運用できるエンジニアが社内にいた場合には、追加でコストをかけずに運用できるのも魅力でしょう。運用のために他の業務が滞る問題が生じるリスクはあるので注意が必要ですが、社内状況によってはawsの運用コストを下げることに直結する方法でしょう。
運用方法として柔軟性も高いので、自社運用を検討して可能性を考えることは大切です。
awsの運用は方針と方法の考え方を明確化するのが大切

awsは運用の仕方にさまざまな選択肢があるので、明確な指針が立てられていないと現場が混乱します。
awsの運用では方針と方法の考え方を明確にするのが最も重要です。運用代行を依頼するのであれば早めに体制を整えましょう。運用の仕方が変わると社員全体に影響があるので、この考え方なら運用を続けられると言える方策を決めるのが大切です。